外来業務は単調になりがちなうえ夜勤がないケースが大半なので、スキルアップしにくいのでは…と不安を感じている看護師は多いかも知れません。もちろん外来看護にもスキルアップ方法はあります。
代表的な例が、資格を取得する方法です。認定看護師や専門看護師、特定看護師などの資格を取得すれば、専門外来などで専門性の高いケアに携わることができます。ここでは、外来看護師のスキルアップに適した資格を紹介したいと思います。
・糖尿病看護認定看護師資格
糖尿病看護認定看護師は、日本看護協会認定の認定看護師資格です。専門的な知識・スキルを活かし、糖尿病患者をケアする役割を担います。
具体的に求められる役割は、糖尿病足病変などのセルフケア支援を行う「フットケア」、血糖コントロール指標を分析・治療に反映する「血糖パターンマネジメント」、施設や地域で必要な糖尿病ケアシステムを構築する「糖尿病ケアシステム立案」の3つです。
糖尿病認定看護師になるには、看護師として5年以上の実務経験(うち3年以上は糖尿病看護の経験)が必要です。そのうえで日本看護協会が定める授業を修了し、認定審査を受けて合格すると、糖尿病認定看護師の資格を取得できます。
・がん看護専門看護師
がん看護専門看護師は、日本看護協会認定の専門看護師資格です。エビデンスに基づいた高水準の看護ケアを効率的に行うために、がんに関する専門知識・スキルを有している必要があります。外来においては、患者さんの治療方針の意思決定支援や身体的・精神的サポートなどを主に行います。
がん看護専門看護師になるには、看護師経験5年以上(うち3年以上は専門分野)が必要です。看護系大学院を修了し、専門看護師認定試験に合格すると資格を取得できます。
上記のような資格を取得すれば、専門分野に特化した外来でスペシャリストとして活躍することができます。有資格者には手当が支給されるケースが多いので、キャリアアップを目指している看護師は資格の取得を目指してみましょう。
看護ケアの知識やスキルを深めるには、一人ひとりの患者さんとより深く関わる必要があります。看護ケアの幅を広げるのに適しているのは、病棟勤務を経験することです。
病棟では各種看護ケアに加え、食事や排泄、入浴などの介助業務が発生します。また、病棟勤務の多くは夜勤が発生するため、夜間の患者さんの状態把握なども必要です。こうした幅広い業務を経験することで、臨機応変な対応力や判断力が養えるでしょう。
また、病棟勤務を経験しておくと外来・病棟間の連携をスムーズに行えるため、各部署から高く評価してもらえる可能性があります。
いくらスキルアップしたいと思っても、資格取得のための時間を割けなかったり、新しい仕事を任せてもらえなかったりする職場ではなかなか実現できないかもしれません。
その場合は、思い切って転職する道も検討しましょう。
転職活動の際は、資格取得支援制度の有無や、各種研修制度の充実度を確認することが大事です。人手不足の外来では制度があっても利用しにくいケースもあるようなので、口コミにもしっかりと目を通しておきましょう。